四号掲載の「書き初め」は戦後台湾から引き揚げてきた九州の「島」のおばあちゃんの語り。台湾という民族と言語が交差した場所ということで温又柔さんを思い出し、九州のヴァナキュラーな言葉に同じく青森の方言で書く木村友祐さんを思い出す。いろいろつながるなあ。「毛利さん」が改姓前の「毛京華」という署名で書いた書には、どのことばで、どんなことが書いてあったのだろう?そして「私」が最後に書く書初めもまた、どのことばで、どんなことが書かれるのだろう?
三号掲載の「陽光」、祖父母と浜の記憶。わからなかったこととあとでわかったことと、わかったのではなかったのかもしれないこと。祖父のタップダンスが目に浮かぶようで、無理して食べ続けたいちごジャムの食パンの味が感じられるようで、そして浜の陽光が自分の記憶にもあるような気がした。いい余韻が残る作品。好きだなあ。
まだ他の方が書かれたものは読めてないんですが、『アルテリ』、とってもすてきな雑誌です。また、編集後記がいいんですよ、毎回。気の利いた本屋さんなら置いてます。見つけたら手に取ってほしいです。
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