たつの市梅と潮の香マラソン。ハーフ。去年は出遅れて10kしか出れなかったけど今年はハーフ、間に合った。
5時起床。昨日のライブでそれなりに飲んだので体は重いが、なんかいいことありそうな予感を胸に起床。おにぎり2個と羊羹あんぱん。アトム氏にごはん。
6時前に出るが、いつまでも学習しないことに、早朝はバスがないのをいつも忘れる。JR六甲道まで15分ほど走る。
会場にははやく着いたので入念にストレッチ。9時40分スタート。走り始めてすぐしんどい。そうであった、ここのコースは緩やかなアップダウンが続くのでシンドイのだ。6キロほどで折り返してまたアップダウン。むむむ。辛い。
しかし10キロすぎは平坦で、暑くもなく寒くもなく、体は重いけど(体重が増えて物理的にも重い)、ハーフやしいけるっしょ、って感じでキロ5分15くらいで頑張る。
1時間51分。♫拝啓ジョンくん、がんばれた方だ、お前の時間楽しめた方だ、サンキューソーマッチ、オッケーオーライ♫
豚汁いただいて、裏の新舞子ホテルでお風呂&メシ。カキフライ定食。お風呂もレストランも景色が絶景。海見ながら風呂入って牡蠣食って、ハッピー。
2017年1月29日日曜日
2017年1月6日金曜日
エトガル・ケレット 「ヒエトカゲ」
今日から本屋に並んだ『すばる』2月号で、エトガル・ケレットの短編「ヒエトカゲ」の翻訳と解説を書いてます。トランプ政権3期目の悪夢を予見した怪作です。本屋で見かけたら手に取っていただければ幸い。
ポケモン関係は世代的にまったく経験がなかったので、院生の青木さんやFさんに相談に乗ってもらっていろいろ助言をもらいました。感謝。
個人的に感慨深いのは(小説と翻訳の違いや分量の違いも大きくあるし、比べるのはおこがましいのではありますが)辻仁成さんと同じ号に載っているということで、というのもワタシは高校生時分彼のバンドECHOESの大ファンで、CDもVHSも全部持ってたし、(田舎なので年に一回くらいしか来なかったけど)ライブも行ってたし、今でも実家の部屋には彼のポスターが貼ってあるからであります。
ケルアックを知ったのも、On the Road と歌う"Jack"という曲がきっかけでした。
小銭を切らしてるきみも
タバコを切らしてる僕も
身近な愛をなくしている
僕らはこの街の失業者さ
持ち合わせのない愛を探し求めて
明日この道の上で
愛を切らしてるきみに
「持ち合わせのない愛」とか「愛を切らしてる」って表現にグッときたんだよなあ。今思えば、おまえはなんの愛がそんなに欲しかったのだ、と自分に問いたい気もしますが(笑)。さみしかったのでしょうか。
思えばはじめて『すばる』を買ったのも、辻さんが『ピアニッシモ』ですばる文学賞を受賞した時でした。文芸誌というものをはじめて買った瞬間です。
なので、その『すばる』と辻さんとこうしてご一緒させてもらうというのはなかなかに感慨深い。
高校生の自分にタイムマシンで会いに行って「おまえは30年後に『すばる』の表紙に辻仁成と一緒に名前が載るぞ」と言ってやりたい。さぞかしびっくりするのではないかと思います。
しかし、彼は心を閉ざして「はぁ?うっせ」とか言い返す、あるいは臆病を隠した睨みで応えるでしょうから、会いに行っても楽しくないだろうなあとも思います。
タイムマシン、なくてもいいや。
2017年1月1日日曜日
橙書店 in 熊本
年の瀬なのでこの一年を総括してみるならば、この数年頑張ってきたエトガル・ケレットさんの日本への紹介が『あの素晴らしき七年』の出版という形で春に結実し、その勢いでケレットさん言うところの artistic adventure に巻き込んでもらった感がある一年であった。
もともとケレットさんのイベントで知り合った福永さんとの交流も深まったし、年末の11月12月には学会関係で喋り仕事が3つもあり、そういうのが得意な他の方ないざ知らず、慎重で余裕を持ちたがる私にとってはかつてないハードなスケジュール、それでもやってみたのはひとえにケレットさんの紹介者としての責任感ゆえであり、ケレットさん関連の依頼は全部受けると決めていた。結果、やったらなんとかなるってのも発見だし、拙くとも喋ればそこから反応があって自分が考えるためのヒントも生まれるなあと実感した。
なかでも今年一番嬉しかった出来事は、先日学会で九州は福岡に行ったときのこと。
九州アメリカ文学会でケレットさんのことを踏まえた発表をした際に、会場に来てくださっていた方から、「熊本の橙書店で薦められて『あの素晴らしき七年』買いました」と声をかけられて、へー、オススメしてくれるなんてありがたい話だなあ、お客さんにオススメする本屋ってことは多分こだわりのお店なんだろうなあ、って思って、でもその日はそれ以上考えることもなかった。
翌日、熊本在住の友人に会うために新幹線で向かうと、友人のSさん、「行ったことないんですけど熊本には橙書店っていう有名な本屋があるんですよ。行ってみます?」と言う。あれ、昨日聞いた本屋かな?これは奇遇。行きましょ行きましょってことになって、お城と馬刺しの後に探しに行く。Sさんがちゃんと地図を用意してくれていたのにも感謝である。
もともとケレットさんのイベントで知り合った福永さんとの交流も深まったし、年末の11月12月には学会関係で喋り仕事が3つもあり、そういうのが得意な他の方ないざ知らず、慎重で余裕を持ちたがる私にとってはかつてないハードなスケジュール、それでもやってみたのはひとえにケレットさんの紹介者としての責任感ゆえであり、ケレットさん関連の依頼は全部受けると決めていた。結果、やったらなんとかなるってのも発見だし、拙くとも喋ればそこから反応があって自分が考えるためのヒントも生まれるなあと実感した。
比較文学会 |
CISMOR |
九州アメリカ文学会でケレットさんのことを踏まえた発表をした際に、会場に来てくださっていた方から、「熊本の橙書店で薦められて『あの素晴らしき七年』買いました」と声をかけられて、へー、オススメしてくれるなんてありがたい話だなあ、お客さんにオススメする本屋ってことは多分こだわりのお店なんだろうなあ、って思って、でもその日はそれ以上考えることもなかった。
翌日、熊本在住の友人に会うために新幹線で向かうと、友人のSさん、「行ったことないんですけど熊本には橙書店っていう有名な本屋があるんですよ。行ってみます?」と言う。あれ、昨日聞いた本屋かな?これは奇遇。行きましょ行きましょってことになって、お城と馬刺しの後に探しに行く。Sさんがちゃんと地図を用意してくれていたのにも感謝である。
行ってみると、神戸の海岸通りのビルジングに似たおもむきの、古い建物の2階。文芸書中心のラインナップ、カウンターとテーブルのカフェスペースもある。入った途端、「ああ、この店好きやわ」って思った。豊かな時間が流れる空間。中に入ると『あの素晴らしき七年』を面陳してくださっていて「うわー推してくれてる〜」と喜んでいると、店主の方が「秋元さんですよね?」と聞いて来る。ん?知り合いだった?と不思議に思っていると、なんと、前日のシンポの情報を得てお客さんにも勧めてくれていて、それでそこにたまたまいたお客さんの松嶋さんが聞きに来てくれていたというではないか。
一階の入り口 |
嬉しい |
Mさんは学会会員でもなければ大学関係でもない。年の頃は私に近い感じの男性で、お医者さんだそう。ご自身で小説も書いていらっしゃる。ケレットさんの本を気に入ってくれていて(店主の田尻さんのオススメがきっかけでしょうか)それで前日わざわざ熊本から聞きに来てくれていたのだ。
これは本当に嬉しい出来事で、学会の外の方が話を聞きに来てくれて、しかもケレットさんの本を気に入って来てくれていたってのが、もうたまらなく嬉しい。
ちなみに松嶋さんはすでにデビューされていてPrada ジャーナル(あのプラダ!)で入賞されていてウェブで作品が読める。http://www.prada.com/journal2016/index-ja.html#/winners/ 影同士が対話し始める、とても面白い作品。
店主の田尻さんは『あの素晴らしき七年』を気に入っていろんな方に勧めてくださっているそうで、そのおかげでこのお店ではクレストの中でも本書が一番の売り上げ。お店にはいろんな作家が来られるそうで、そういう方々にも勧めてくださっている。ありがたい限り。ああ、大事にしてくれる、愛してくれる読者に会えて嬉しいな〜、頑張って出してよかったなあってしみじみ思う瞬間だった。
この日は出勤してなかったけれど、ここにはしらたまくんという看板ねこがいるそうで、村上春樹さんも会いに来ていて、『ラオスにいったい何があるというんですか?』にそのことが載っている。なんと村上さん、この店で朗読会もしたそうで、そんなこと簡単にはしない人なはずなので聞いてみると、20年ぶりだったとのこと。
翻訳者は出しゃばるべきではないって思うのだけれども、やっぱり自分にとってとても大事な作家で、なんとか日本の読者に届けたい、絶対好きな人たくさんいるはず、って思って始めたことだから、それがこうして、大事にしてくれる読者にちゃんと発見されているのを知ったのには、これまでしてきた仕事とは次元の違う感動を覚えた。だってそこにはそれぞれの「愛」があるじゃないの。そういうつながりに自分が加われたことが嬉しいし、ケレットさんとのartistic adventureはまだまだ続いていくはずと確信。
来年も楽しい仕事がいっぱいできたらいいな。ちょっとでもこの日本の本を読む人たちに、いいものを届けて、世の中がちょっとでも豊かになったらいいな、と思う。
来年もよろしくお願いします。
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