2010年6月30日水曜日

『クレイジー・ハート』

タイトルからだとなんの話か全くわからないが、作中で歌の歌詞に出てきてじーんときた。
落ちぶれたカントリー歌手の話。『レスラー』にも共通するダメ男もの。とにかく酒、タバコ、汗。アメリカ南西部の乾いた空気感にこのやさぐれた感じが合う。
最後はハッピーエンドではないが再生の物語で『レスラー』より救いがある。

音楽がよかった。役者が演じているのに演奏や曲がかっこいい。これはすごいことだと思う。映画の中で「名曲」っていう設定でも、聞いて全然そう感じられずに気持ちがさめるっていう場合が多いから、音楽ものの映画は難しい。でも、これはかっこよかった。

カントリーミュージックってアメリカでもある一定の社会層のもので、だから都会のインテリとかはこの映画見てどう思うのか?そもそも見ようという気になるのか?というのが気になった。

主人公が地元に帰って親友のバーに行く場面。従業員はメキシコ人のヘスス一人。「仕事終わったら英語教えてやるからな」なんて言っている。このヘススを主人公に紹介する時、名前は?と聞くと違う名前を言っている。まあどっちでもいいさ、と言っておっさん同士肩を組んでいる場面がちょっと長めのショットになっている。なんのことかよくわからないのだが、このシーン笑えたし、印象に残った。