『早稲田文学』夏号で、New Yorkerウェブ版に載ったエトガル・ケレット&サイイド・カシューアの往復書簡"Tell Me a Story with a Happy Ending"を訳させてもらいました。
イスラエルはユダヤ人の国ですがアラブ系の市民もいます。カシューアはアラブ系作家でArab Laborなどのテレビ番組の作家としても知られています。昨年夏のイスラエルのガザ侵攻に伴って高まったアラブ系市民への敵意を目の当たりにしてカシューアは家族を連れてイスラエルをあとにする決心をし、遠くイリノイのアーバナ=シャンペーンからケレットに手紙を綴ります。母国を失ってしまった自分に「ハッピー・エンディングな話を聞かせてくれよ」と。同じ国に属しながら加害者に分類されかねない立場にあるエトガルは精一杯のストーリーを紡いでそんなカシューアに応えようとします。
多くの人に知ってもらいたい、読んでもらいたい内容です。エトガルのファンにも、そうでない人にも。イスラエルにも中東にも関心のない人にも。Homeのあることのありがたさ、それを失うことの恐ろしさ、でもhomeを失うことが珍しくなくなっている今の世界について考えるためにも。
2015年5月12日火曜日
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