尊敬しているミュージシャンであるKANさんのバンドツアー、神戸公演に行ってきた。
KANさんの音楽を知ったのは比較的最近で、2003年に1年アメリカで暮らした時のことだ。日本から取り寄せたCDの一枚がGleam & Squeezeだった。なんでKANさんのCDを取り寄せたのか、はっきりした理由はない。なんとなく気にかかっていた、という程度だったのだと思う。しかしその歌詞とメロディーは当時の私の心境になんだか妙にマッチして、アメリカでの理想と現実のはざまであたふたしている自分と同じ境遇を感じた。「完ぺきを求めて岸壁に立っている」という「子羊」は自分の歌だと思ったし、「close to me」には励まされた。「カラス」を聴いて、この人もいろいろ思い悩んでいるのだなあと思い、その後、彼がこのアルバムを最後にフランスに移住したことを知る。
その後私もKANさんも帰国して、KANさんは活動を再開、私は彼のCDを集め、弾き語りライブに行くようになる。そして今回が初のバンドライブ参加。
オープニングの「ディスコ‘80s」からビカビカの衣装とアフロで踊りまくるKAN。素晴らしい。演奏して、歌って、踊って、そのうえこの人はほんとうにおしゃべりがうまい。おもしろい。真面目な顔して変なことばっかり言っている。「ワーペロ」とか。そういうふざけずにはいられないところも自分に似ている。でも、照れ隠しのおふざけではなくて、本気でふざけられるのが彼のプロフェッショナルなところだろう。じゃないと恵比寿・スレプリーなんてできない。
今回のツアーは各地で特別ゲストがいるのだが、神戸のゲストはなんと平井堅であった。グランドピアノの上に登場した時のスターのオーラったらなかった。ファンになった。かっこよかった。アンコールという名の本篇も含めて3回も登場してくれた。
3時間を超えるライブ。もう大満足であった。
逆特別は次は6年後の29周年までないはずなので、行けてほんとによかった。
素数というとオースターの『偶然の音楽』を思い出す。素数には神秘的な力があるのだという。登場人物の二人組は素数の組み合わせで宝くじを当てる。
ここにも素数に魅せられた男がいるというのがなんとなく可笑しい。6年後にまた神秘的な力を目撃したい。
2010年3月23日火曜日
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