2011年2月1日火曜日

『ソーシャルネットワーク』

 フェイスブックを開発したハーバード大学生たちのお話。ものすごい知力をもつがイケてないオタクたちが、大学というある意味外の世界以上に階級を作り出す社会の頂点に位置する持てる者(モテる者)たちを出し抜き、サイトを広め、事業を拡大し、そのなかで別れていく。
 主演のマーク役の、人の感情を全く考えない不遜ぶりがうまかった。
 彼がフェイスブックを作ったきっかけはエリカというガールフレンドに振られ、彼女を見返してやろうとしたことがきっかけだが、最後の場面で彼は自分が作ったフェイスブックを通して彼女にコンタクトを取ろうとする。ジャスティン・ティンバーレイク演じるナップスター創始者のショーンは、自分がナップスターを作ったのも女性への復讐(?)だと言い、その後彼女に連絡を取ったかと問うマークにNOと答える。最後の場面はこのショーンの態度と対照をなすが、でも、最後の場面のマークが、最初のマークからなにか変っているのかというとそういう感じはまったくしないのである。
 全編を通じて感じたのは、ものすごい影響力をもつものを開発し、巨万の富を得たにもかかわらず、彼には自分が欲しいものが最初から最後までわかっていないのではないかということ。そういう意味で彼には「成熟」がなく、その成熟のなさはショーンも共有するもので、それがジャスティンのとっつあん坊や的ルックスにうまく凝縮されている気がした。

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