2016年10月30日日曜日

『港のひと』



 『港のひと』に「イスラエル製ターディスのアンビな旅」というケレットさんについてエッセイを書かせてもらいました。
 
 とても素敵な冊子です。友人はとおかくんの研究室が出版社「港の人」と組んで手製本で作ったもので、手にとって、触って、読んで、常に嬉しい本です。

表紙の色も違うんだぜ。

 近著『ロケットの正午を待っている』を同社から活版印刷で出したはとちゃんは、「本」の中身だけでなくてモノとしての「本」について、メディアとしての本について真剣に考えて、重版できない活版印刷にたどり着いたのだと思います。普段本が何部売れた、重版になった、やれ増刷だ、みたいな価値観を当たり前に思っていたワタシにとっては、重版できない限られた部数の本を出すという考えは目からウロコでした。でも、それは本当に読みたい人が必死に探し出して入手する本になるかもしれない、手に入れた人が、渡された人が大事にする本になるかもしれない(本人はそんなこと言いませんが)、と思うとその希少性はとても意味があるのではないかと思えてきました。手紙ってそうだったはずで、この本は重版できないゆえに、手紙に近い極めて親密な本になったと思います。ワタシもオフィスでいろんな人に見せているし。テクストがデジタル化されていくらでも無限に複製可能になった今だからこそ余計にです。

 当冊子もそんな親密な感じが詰まっています。参加させてもらってよかったなあと思っています。

 好きな作家の木村友祐さんや後輩の加藤さんとご一緒できたのも嬉しいです。

0 件のコメント:

コメントを投稿